火の神様

火の神様

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こんばんは。昨夜はこの付近も雪が一気に降ってきて、あっと言う間に一面銀世界になってしまいなした。子供たちが明日の出勤で今のうちに車をどうにかしなければどうしても遅刻する訳にはいかないとかで、挙句にホテルに泊まるなんて話も出てきました。それほど瞬く間にずんずん積もったので、みんなも驚いたのでしょう。私の経験則からそんなに思うほど積もらないし、朝の道も凍るところまでいかないから大丈夫と思っていたのですが、案の定雪は小康状態になり、雨交じりで霙(みぞれ)となって、子供たちの心配も一段落致しました。しかし今日は冷蔵庫に居るようで、冷えは相当きついです。朝町に出てみると、嘘のように日が射してポカポカ陽気になっていました。別世界です。

釉掛け  工房は昨日焼き終えた素焼きを出し、釉薬掛けをしました。すたっふMさんもお手伝いに来てくれて、スムーズに窯詰めまで終えることが出来ました。明日は陶芸クラブの指導日なので、今夜は焼くのを止め、明日の夜に火を入れることにしました。今年の初窯になります。お神酒、榊をお供えして、今年の安全をお祈りいたします。

火の神様は静岡県の袋井、掛川の秋葉神社が有名で、私が弟子に入った森山焼のそばにありました。森山の窯場には秋葉神社のお札が貼られていました。東京の秋葉原はこの神社を拝む所だったと聞きましたが。江戸からこの神社の方角に向って礼拝したそうです。今はすっかりそんな事とは関係ない所になっていますが。昔はおくどさんで煮炊きをしたので、火の神様が身近に感じられていたのでしょう。京都はこうじんさん。また八坂神社のおけら参り。大晦日この火を持って帰って竈(へっついさん)に火を入れる、なんて今ではどう考えても想像できないでしょうが。私の幼い頃はまだまだ竈で煮炊きをしていましたので、案外町暮らしですがその様だったんです。

陶芸は火の芸術といわれるように、火は切っても切れない創造原子の一つです。これからはCO2削減とかなんとかで、窯焚きにも税金が課せられる様になるでしょうね。大きな窯ではますます焚けなくなってきます。電気窯ならCO2が出ないからいいのかも知れないですがねえ。想像が付きませんが、ますます火から遠い生活になってくるのでしょうね。火を囲む家族の姿は遠い過去で、全てはスイッチポンで温めることも焼くこともできる世の中です。余談ですが、「面白い」という語源は囲炉裏に家族が寄って色々なお話をしている様子から来たと聞きました。囲炉裏の火が顔を照らす姿が語源と聞きました。すっかり都会から闇もなくなりました、またそれと同時に火も生活から消えてしまうのかもしれませんね。陶器が人の暮らしに温かかさを感じさせるのは、きっと窯の火の余熱が残っているのかも知れませんね。

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