6月に入って今年はすでに近畿地方に梅雨入り宣言がでました。衣替えで半そでの白いセーラー服がまぶしい気節ですが、今日は肌寒く雨が降っています。
HPで「父の日」の特集を打っています。マグやカップ、今までに無かった色使いの作品を出して見ました。祥瑞の大きなマグカップは色々な図柄が豊富に取り揃えて居ります。色祥瑞は珍しいでしょう。呉須の色合いが微妙に違っています。濃いもの、淡いもの、図柄によって変えています。丹念に書き込んでありますが、一つひとつの「線」が一定の力と柔らかさを均一な関係で保ちつつ描き切るのはなかなかのものです。
我々の特徴の一つに、一見あまり目を引くという特殊性は感じられない様にわざわざ仕上げてあります。
東京のある工芸店に、染付の仕事を見せた事がありますが、なんと、そこの店主はこの染付を見て印判ものかと聞いたぐらいですから、驚きました。あまりにも楽々と仕事がされていて取ってつけた様なイビツな線が一つもないから、手描きと思わなかったのでしょう。普段使いの食器にここまでの描き込みをした作品は実はどこにもないのです。
今、皆さんにお見せしているこのカップは、まぎれもない世界でひとつのカップです。大ぶりですが驚きの軽さです。この写真を撮って頂いたカメラマンの方もこの作品の「かろみ」をどのように撮ろうかと大変苦労されていました。
「かろみ」食器にとって一番重要な要素です。そこが出来てはじめて文化といいたいですね。
一度手にしてこの感覚を味わって下さい。ビールが入ればビールの重みを、飲み終えた後はカップの心地いい重みを感じて頂きたいものです。
ウェブ上では感じられにくい世界を言葉で表現してみました。
私たちは器の奥深い世界を普段使いの食器に託しています。
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