工房は雑用に追われて午後遅くから、続いています、「ぶりぶり香合」原型作りをしました。ほぼ完成に近づいているのですが、身と蓋の接合部分をこれから調整しながら、合わせていきます。まだ、少し時間が必要です。今回の原型作りで「ぶりぶり香合」は大体手の内に収まりそうです。前回(平成18年)は何が何だかまとまりの付かない状態で納品してしまいましたので、大きな宿題を頂いてしまいました。何がなんでも今年はスッキリと納めてしまいたいと思います。一つ一つ片付けて前に進めたいですね。
乾山陶器の土テストを仕事の脇に置きながら、いつも眺めています。これもいつものことですが、ようやくイメージが固まりだしました。乾山の前に、むしろ仁清の「ひよどり香合」などに、この土は合うかも知れないなあ、と考えを振っています。与えられてくるものと、自分がイメージしているものとは若干ずれがあるものです。時間を掛け色々な角度からテストを繰り返しイメージを膨らませます。すると今まで合わないなあと思っていたものが、違う場面から妙にうまく合って来たりするものです。私は考え試して出てくる結果に、不必要というものが無いといつも思っています。ただ自分が未熟なだけで、それを読み切れなかったり、使う場所を間違っていたりするだけだと思っています。何年も掛けて作っていく仕事ですので、少しづつですが確実に形にして行くつもりです。
今年の仕事もその繰り返しでした。一滴一滴たまり醤油が濾過され溜まっていくように、私たちの仕事も目には見えない創造世界に蓄積されています。
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