こんばんは。六月も明日で終わりになります。一年も半分が過ぎました。今年は昨年から続いている仕事、乾山陶器がようやく形になりつつあります。一歩ずつですが振り返ると確実に進んでいることを感じます。先週土曜日に乾山写し芙蓉紋鉢の型が出来ました。「轆轤型打ち」という特殊な技法を使う作品です。型を使った作品を多く作って来ましたが、今回初めて轆轤型打ちをします。型は土で丁寧に作り仕上げされています。今回は前半私が作っていましたが、急ぎの仕事が入ったので、すたっふMさんにバトンンタッチしました。彼女は大学で工業デザインを勉強していたので、このように写真から形を起こす事を得意としています。スパーリアリズムの絵画や彫刻をさせると面白いもかもしれません。
この型は複雑な形をしていて、また土も多く使っているので乾かすのにじっくり時間をかけていきたいと思います。すっかり乾いたつもりでも土は中心に多少水を含んでいるものです。あせって表面だけ乾かしてしまうと、中心にある水は外に抜けず、ずうっと乾ききらないでいます。それを知らずに素焼きをすると、中心に残った水が膨張し爆発してしまいます。型は木端微塵に跡形もない状態になることもあります。この梅雨の時期雨が降るといつまでも乾かない状態が続きます。あせらず乾燥して参ります。
呉須絵格子紋湯呑の削りを始めました。呉須の流れることを止めようと考えています。釉薬の調合を替え、長石の量を多くしようと思います。また硅石(けいせき)分も入れてみたいのですが、これらの分量が多くなれば今までの釉薬の様に透明感や細かな貫入(かんにゅう)が消える可能性があります。そのさじ加減が難しいのですが、呉須の流れを止めるには仕方がないと思っています。
速やかにテスト窯を焚くことが今の一番の仕事です。
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