こんばんは。関西は未だ梅雨が明けていません。昨夜は梅雨前線が南下してきて、猛烈な雷と豪雨でした。窯焚きはこんな夜が一番ハラハラドキドキです。いつ停電になるかと心配で眠れません。電気窯はもちろんそうですが、うちで焼く灯油窯もバーナーがいつ止まるか気が気では有りません。すたっふMさんは昨夜錦窯(きんがま、上絵を焼く窯)を焚いていたそうで、心配で眠れなかったそうです。朝起きが遅れたのもそのせいだったのでしょうか。
工房は大忙しです。巷は三連休で高速道路が1000円と有って夏休み初めての休日、今も渋滞で家に帰れない状態なんじゃないでしょうか。そのようなことは全くと言っていいくらい関係なくこちらは進んでいます。工芸界に入って祭日が休みになんてところは一つもなかったように思います。今も私どもは日曜日以外は休みでは有りません。すたっふMさんがこの工房にまだ通って修行していた頃は、日曜日も仕事をしていました。鉄は熱いうちに叩けと言われますが、大体三年は休みなんてないものでしょう。石の上にも三年。よく言われますが、3という単位は重要な意味をもっていると考えています。
弟子を見る時も3か月を単位で様子を見、色々と判断します。早いうちに肩を叩いてあげなくてはいけないこともあるのです。才能なんておこがましいことは言えませんが、真摯な姿勢は三日でも分かるのですが、余裕をもってまたその人の人格も尊重して三か月と決めています。
しかしそのようなことも言ってもおれない状況がこの業界を覆っています。育てることをもっと真剣に考えなくてはいけないのでしょう。昔のように「見て学べ」なんていってられないのでしょう。何人かの弟子を面倒見ましたが、育てることの難しさと費用に合わないことの多さに難儀を感じます。
陶芸を世間はどのように思っているのでしょか。昔と違って容易に窯を持てるようになったのはいいのですが、それでどうか?といってもやはり修行に掛かる時間はとてつもなく多く、その間誰が面倒を見るのか?親がかりといっても今の時代そのような余裕は誰も持っていません。即戦力にはなかなかなれず、工芸学校を出て何が出来るのでしょうか。高い授業料を払いそれでこれといって身についていないなんて、こんなリスクの多い業界に未来があるとはなかなか思えないのです。
それでも陶芸に見せられ一途にこの道を歩いていきたい。その様な夢を実現したいという若者がいないとは思っていません。どうにかそのような若者を育てられる環境を作りたいと思っているのです。
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